設立の経緯

移植支援団体リライフの設立の経緯

NPO法人リライフの立ち上げの切っ掛けは、ある会員の友人が1万人に1人と言われる肝臓の難病にかかり、完治をするには臓器移植しか手が無いことが判明しました。

ところが、国内では殆どドナーが出ないので海外へ行くしか方法がなく、しかも海外での施術となると膨大な費用がかかってしまいます。

その費用は到底個人で賄いきれる額ではなく、その会員が中心となり募金活動を始めることになりました。

多数の協力者もあり、ある程度の金額が集まり間もなく目標金額に達成できる直前、努力の甲斐なくその友人は息を引き取ってしまいました。

その会員は友人の死を痛み、その過程にて経験した数々の矛盾点に疑問を持ち、「時間との闘い」が何より致命的だったことに憂い、その事を熱心に訴えかけたことにより、それに呼応した仲間との連携が今回実を結んだ形となりました。

現在の日本において臓器移植が進まない理由として次の2点が考えられます。

1.脳死が臓器移植の場合のみ人間の死だという法律になっていること。

2.国民の理解が未だ浸透出来ておらず、ドナーが殆ど出てこない事実。

活動趣旨

レシピエント(臓器移植受託者)の臓器の機能回復・社会復帰を図るため、レシピエントとその家族に対する医療活動の援助を中心とした臓器移植支援に関する多目的なイベント・シンポジウム・学習会・レシピエント交流などの支援活動及び事業を行う。

広く啓発活動することにより、国家にとっての臓器移植国内施術の必要性を訴え、一人でも多くの国民が健康で幸せな生活に寄与することを目的とする。

目的

私たちの国「日本」の医療制度は、世界でも有数の技術と設備を持っています。しかしながら、その現状は最近の報道等でも言われている通り、医師の不足や救急医療制度の問題、医療費や医療保険制度の見直し等、様々な問題を抱えています。

中でも、2009年の国会において衆議院では6月、参議院では7月に可決された「改正臓器移植法」(いわゆるA案)は、取り分け重要な問題であったと言えるでしょう。

この臓器移植に関しては、その法改正により全ての問題が解決された訳ではなく、ようやく第1歩を踏み出したに過ぎません。

世界的視野で見れば我が国は非常に立ち遅れた状況にあり、例えば難病を抱え臓器移植以外に助かる道は無いと宣告された患者さんがいた場合、国内ではドナーの少なさや医療制度の問題、文化や倫理観などの相違等、様々な規制や事情で移植手術が出来ないため、わざわざアメリカなどの国へ渡航し移植手術を施さなければなりません。

しかも、その費用については、国外での施術のため日本の保険制度は適用されず、諸々の理由によりコストが千万から億に達する費用を用意しなければならないのです。

それほどの大金をすぐに用意できる人はいいのですが、恐らく大半の人々が費用が無い為に、泣く泣く国内での延命的な治療を受けざるを得ず、更には、臓器移植をすれば助かるといったことさえ、医師から選択肢の一つとして知らされないということもしばしばあるのです。そうしている間に結局治療の甲斐なく死に至ってしまったというケースは、今なお、日常的に起きているのです。

私たちはこの問題に正面から向き合い、助かったであろう命の尊さと、この「臓器移植」にまつわる現実を広く国民の皆様に知って頂くため本会の設立を決意しました。

わずかな人数でこの問題解決に対し、どれ程の効果が得られるかは未知数ですが、少なくとも現在の日本に置かれている臓器移植医療の現実を、まずは知って頂くことから地道に活動していきます。

皆様の深いご理解と絶大なるご協力をお願いします。